建設業ホームページの施工実績の書き方|掲載項目・写真・記入例
「施工写真はあるけれど、説明文に何を書けばよいか分からない」
「工事名と完成写真だけで、対応できる仕事が伝わるだろうか」
建設業のホームページに施工実績を掲載するときは、完成したものに加えて、自社がどの範囲を担当し、どのような条件に対応したかを整理すると、依頼を検討する人の判断材料になります。
この記事では、建設会社・工務店・リフォーム会社・専門工事会社の担当者向けに、施工実績の掲載項目、説明文の記入例、写真の選び方を紹介します。工事台帳や現場の記録を使い、公開できる情報からまとめていきましょう。
施工実績1件に載せる情報をそろえる
最初に、工事台帳、工程表、写真フォルダなどで事実を確認します。手元の資料をそのまま公開するのではなく、ホームページに載せられる情報を選び、事例ごとに同じ項目で整理します。
| 項目 | 確認・記載する内容 |
|---|---|
| 工事名・タイトル | 建物や施設の種類と、自社が担当した工事が分かる名称 |
| 工事の種類・対象 | 内装、塗装、防水、電気設備などの工種と、住宅・店舗・工場などの用途 |
| 施工エリア | 公開できる範囲の地域名。正確な住所を載せる必要はない |
| 自社の担当範囲 | 工事全体か、一部の専門工事か。担当した箇所や作業内容 |
| 工期・規模 | 確認できる施工期間、面積、数量など。担当範囲と案件全体の数値を区別 |
| 依頼内容・施工条件 | 施主の要望、営業中の施工、作業時間の制約など |
| 実施した対応 | 施工方法、工程調整、仕上げの工夫など、実際に行ったこと |
| 完成後の状態 | 施工で何が変わったか。写真や記録で確認できる結果 |
| 写真 | 施工前・施工中・完成後など、説明内容と対応する写真 |
費用や発注者名は、すべての事例で必須ではありません。公開できない項目を無理に埋めるよりも、担当範囲と工事内容を具体的に伝えることを優先します。
説明文は「条件・対応・結果」の順に書く
「丁寧に施工しました」「高品質に仕上げました」だけでは、何に対応したのかが伝わりにくくなります。まず依頼内容や現場の条件を示し、次に実施した対応、最後に完成後の状態を書くと整理しやすくなります。
| 書く順序 | 整理すること |
|---|---|
| 1. 条件・要望 | 何を依頼されたか。工事を進めるうえで、どのような制約があったか |
| 2. 対応 | 自社がどの作業を担当し、どのような方法や段取りで進めたか |
| 3. 結果 | 確認できる完成状態、使用再開、仕上がりの変化など |
特別な難工事でなくても、工事の内容と担当範囲が分かれば事例として紹介できます。長いストーリーを作る必要はありません。記録がない成果や、行っていない対策を付け足さず、分かることを短くまとめましょう。
施工実績の記入例
以下は書き方を示すための架空の例です。工事内容、担当範囲、実施した対応を、自社の事実に置き換えて使ってください。
法人・元請け向け:店舗改修の内装工事
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| タイトル | 営業中の店舗における内装改修工事 |
| 工事内容・担当範囲 | 店舗内の壁面仕上げと床材の張り替え |
| 施工条件 | 店舗の営業を続けながら、区画ごとに施工する必要があった |
| 実施した対応 | 店舗担当者と使用できる時間帯を確認し、作業区画と施工順序を調整した |
| 完成後の状態 | 担当区画の壁面・床の改修を完了した |
文章にすると、「営業中の店舗で、壁面仕上げと床材の張り替えを担当しました。店舗担当者と作業可能な時間帯を確認し、区画ごとに施工順序を調整して、担当箇所の改修を完了しました」とまとめられます。
個人施主向け:戸建住宅の外壁塗装
個人施主向けでは、どの部分を直したかに加えて、相談時の要望や仕上がりの変化を説明します。例えば「外壁の色あせをきっかけにご相談いただきました。外壁の状態を確認し、補修と塗り替えを実施。色見本で仕上がりのイメージをご確認いただき、外壁と付帯部の色を整えました」という書き方です。
この文章も架空の例です。色見本の提示や補修を実施していない場合は、その部分を記載しません。保証やアフターサービスを紹介する場合も、自社が実際に提供している内容と条件に合わせます。
法人向けと個人向けで、補足する情報を変える
基本項目は共通でも、依頼を検討する人によって知りたいことは異なります。同じ施工事例でも、主な読者に合わせて補足する内容を選びましょう。
| 読者 | 補足したい情報 |
|---|---|
| 法人・元請けの担当者 | 自社の担当工種、施工規模、作業時間の制約、他工種との調整、施工体制など |
| 個人施主 | 工事前の悩み、提案した方法、生活への配慮、施工前後の変化、相談から工事までの流れなど |
例えば、電気工事会社が法人からの相談を増やしたい場合は、完成写真だけでなく、対応した設備と自社の施工範囲を説明します。住宅リフォームなら、工事前後の写真と、施主の要望にどう対応したかを組み合わせると内容を理解しやすくなります。
写真は説明したい内容から選ぶ
写真の枚数を増やすことよりも、文章で説明した内容が確認できるかを優先します。完成写真を基本に、必要に応じて施工前や施工中、細部の写真を加えます。
- 施工前・完成後:改修箇所の変化を示す。比較する場合は、できるだけ同じ位置・角度の写真を選ぶ
- 施工中:説明した作業工程や養生、施工範囲が分かる写真を選ぶ
- 細部:仕上げや納まりなど、工事の特徴を説明できる箇所を示す
写真には「施工中」だけでなく、「床材を張り替えた店舗入口」「壁面仕上げの完成状態」など、写っている内容が分かる説明を添えます。写真ファイルと工事名・撮影箇所を対応させておくと、別の事例の写真を混ぜるミスも防ぎやすくなります。
完成写真しか残っていない場合も、工事内容と担当範囲を補足して掲載できます。実際の現場写真の代わりに素材写真を使い、自社の施工実績であるように見せることは避けましょう。
下請け実績・非公開情報がある事例の書き方
下請け工事は、自社が担当した範囲を明記する
建物全体の新築工事のうち電気工事を担当した場合は、「工場新築工事」だけでなく、「工場新築に伴う電気設備工事」のように担当工種が分かるタイトルにします。本文でも「新築工事のうち、対象区画の配線・照明設備工事を担当しました」など、実際の範囲を示します。
工事全体の面積や工期を載せる場合は、それが自社の担当範囲を示す数値なのか、案件全体の情報なのかを明記してください。
費用・顧客名を公開できない場合は、公開可能な条件を示す
金額を載せられない場合は、工事の種類、施工範囲、建物用途、工期など、公開できる情報で内容を説明します。顧客名や施設名を出せない場合も、公開可能であれば「店舗」「物流施設」などの用途で紹介できます。
名称を伏せても、外観写真や所在地などの組み合わせで案件が分かる場合があります。掲載前に、元請け・施主との取り決めと、工事名・写真・数値それぞれの公開可能な範囲を確認しましょう。
施工事例から対応工事・相談窓口へつなげる
施工事例は、関連する工事紹介ページと組み合わせて案内します。例えば、防水工事の事例から対応する防水工事の説明へ、店舗改修の事例から内装工事の説明へリンクすると、読者が対応範囲を確認できます。
事例の末尾には「同様の内装改修について相談する」など、内容に合った相談窓口を案内します。その事例で対応した条件が、すべての案件で保証されるわけではないため、施工可否や工期は個別に確認することも伝えましょう。
事例が増えたら、読者が探したい条件に合わせて工事の種類などで分類します。少数の事例から始める場合は、分かりやすいタイトルと一覧の説明をそろえ、更新できる形を整えることを優先します。
公開前・更新時のチェックリスト
- 工事名・担当範囲・工期などが、工事台帳や現場の記録と一致しているか
- 施工条件、実施した対応、完成後の状態が事実に沿っているか
- 写真が該当する工事のもので、説明と対応しているか
- 工事名、顧客名、施設名、写真の公開可能な範囲を確認したか
- 人物、車両番号、図面などの写り込みを確認したか
- 関連する工事の説明と相談窓口を案内しているか
- 現場の記録・原稿確認・公開作業を担当する人が決まっているか
現場担当者が工事情報と写真を残し、掲載担当者が同じ項目でまとめ、公開範囲を確認する流れにしておくと、事例ごとに一から書き方を考える負担を減らせます。
施工実績の書き方に関するよくある質問
施工実績が少なくても掲載した方がよいですか?
公開できる事例があれば、件数を増やすことよりも、工事内容と担当範囲が分かる説明を付けて掲載することを優先します。未受注の工事や参考写真を実績として補うことは避け、対応できる工事の説明と分けて案内しましょう。
費用やお客様の声がなくても施工事例になりますか?
掲載できます。工事内容、施工条件、担当範囲、完成後の状態が分かる情報をそろえてください。金額やお客様の声は、確認・公開できる場合に追加する項目です。
現場担当者が文章を書けない場合は?
完成した文章ではなく、「担当した作業」「施工時の条件」「実際に行った工夫」を箇条書きで残すところから始められます。文章案を他の担当者や制作会社がまとめる場合も、工事内容の事実確認は現場担当者と行いましょう。
施工実績を整理して、対応できる工事を伝える
施工実績は、工事の基本情報、担当範囲、写真をそろえ、実際の対応を説明することで作れます。手元の記録から公開可能な代表事例を選び、同じ項目で整理していきましょう。
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